作品紹介
警視庁幹部職員であれば、誰もが晴れがましい気持ちで迎える退職記念式典。
だが長年、捜査1課で凶悪犯を追い続けた男――昨日まで警視庁本部捜査第1課のナンバー2だった星正一の胸は晴れなかった。
それは男の唯一の屈辱ともいえる未解決事件のせいだった。十五年前に起きたその事件では容疑者すら浮かばなかった。
完全犯罪など認めてこなかった最強の警視庁捜査1課――その信念さえ揺らぐ事件だった。
しかし、三週間前、事件解決につながるかも知れない端緒を摑んだ星は、迫り来る退職日を前に、激しい焦りを覚えていた。
犯人に迫れるか。だがその時間は余りに短く……。
圧倒的情報の量と質でエンターテインメントを描き続ける著者が初めて警視庁捜査1課をミステリーで描く、決定的警察小説!