5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割

5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割
5度のがんを生き延びる技術 がん闘病はメンタルが9割
定価1,650円(本体1,500円+税)
発売日:
※価格、発売日は紙書籍のものです。
  • 発行形態 :単行本
    電子書籍
  • ページ数:256ページ
  • ISBN:9784344043565
  • Cコード:0095
  • 判型:四六判
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作品紹介

5年生存率2%の壁を突破!
「折れないメンタル」をいかに作るか?

「何があっても生き抜く」ととなえよ!

がんを5回告知されても生き延びた著者。
40歳で最初のがんになり、53歳の現在までに
脳腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、大腸がん、肺がんを乗り越えた。

生き延びるためにはいったい何が重要だったのか?
病院選びや医師との円滑なコミュニケーションはもちろん必要だが、
もっとも重要なのは不安や苦痛に負けない「折れないメンタル」だった!

はじめに

 がんになった人はみな、告知を受けた瞬間、当たり前の日常が崩れ落ちるような感覚を経験しています。

 近い将来、自分が死ぬかもしれないという残酷な現実。夜が明ければ朝が来て、新しい一日が始まるのが当たり前だったのに、その当たり前が終わるかもしれないなんて──。そう考えて、目の前が真っ暗になるのです。

 同時にたくさんの不安にさいなまれます。ステージはどの段階か、治療すれば治るがんなのか、いつまで生きられるのか、難しい手術や辛い抗がん剤治療が待っているのか、仕事は続けられるのか、治療費はどれぐらいかかるのか、家族に負担をかけるのではないか……。

 今、これを読んでいるあなたは最近がんの告知を受け、不安と闘っているところでしょうか? あるいはご家族や身近な方ががんを告知され、何か自分にできることはないだろうかという思いから本書を手に取ってくださっているのでしょうか?

 そうした思いを抱えているみなさんに、ぜひお伝えしたいのです。

 がんを5回告知されても、乗り越えて生きている人間が実際にいることを。

 

 

 私はITベンチャーの社長をしていた40歳のときに最初のがんになり、53歳の現在までに5回のがん告知を受けました。脳腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、大腸がん、肺がんです。

 前のがんの転移ではなく全て別々のがんで、5つ合わせると5年生存率は約2%という低い確率です。絶望的な数字と言っていいでしょう。

 それでも、たくさんの方に助けられ、手術、抗がん剤治療、放射線治療などの標準治療を受けた結果、5つのがんはほぼ治りました。今はたまに通院して検査を受けながら、自宅で妻と娘とともに普通の生活を送ることができています。

 なぜ、がんを5回も乗り越えることができたのか?

 そこには治療に最適な病院選びや、医師との綿密なコミュニケーションなどさまざまな要因があるのですが、中でも鍵となったのは〝折れないメンタル〟だというのが私の実感です。

 がんとの闘いでは告知以降、さまざまな不安や恐怖に直面します。希望を失いそうになることも、不安で押しつぶされそうになるときもあります。

 そんなときにどうやって気持ちを立て直し、治療に前向きに取り組んでいくのか。つまり折れないメンタルをどう作り、どう保っていくのか。それを私は5回のがん闘病で模索し、実践してきた結果、生き延びることができたのです。

 今まさにがんと闘うみなさんへ、絶望や不安を乗り越え、最終的にはがんそのものを乗り越えていくために、私がたどり着いた具体的な方法をお伝えしたいと思い、こうして筆を執りました。

 

 

 本書の構成は、まずは私が何者で、どのようにがんと闘ってきたかを知ってもらうのがいいと考え、第1章は3回目のがん・白血病の闘病のこと、第2章は4回目のがん・大腸がんの闘病のことを書いています(1回目のがん・脳腫瘍と、2回目のがん・悪性リンパ腫の闘病については、前著『治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ』に詳しく書きました。ご興味があれば読んでいただけるとうれしいです)。

 5回目のがんである肺がんについては、本書の内容がほぼ固まってから告知されて手術を受けたばかりですので、闘病については詳しく書いていません。「おわりに」で簡単に触れるつもりです。

 第3章は、5度のがん経験が自分にもたらした健康への考え方の変化や、がんによって人生観が変わったことについて書いていきます。

 第4章は、本書で一番伝えたい「がんを乗り越えるためのフレームワーク」を説明しています。

 私がこれまでのがん闘病でどのように不安、恐れ、絶望を乗り越えてきたのかを、改めて体系的にまとめてみたものです。瞑想やマインドフルネスの考え方も取り入れた、その方法をていねいに解説していきます。

 第5章は、なぜがんは5回も私のところにやってきたのか、自分なりの考えを記しています。

 がんになった人は必ず「何が悪くて自分はがんになったのだろうか」と考えるものです。私は何度も繰り返すがんのことを、「人生のシナリオ」という考え方の中で捉えてきました。でもその考え方が、2回のがん闘病を終えた前著の時点と、5回の闘病を終えた今では少し変わりました。

 そのあたりの考えをご説明して、みなさんと一緒に考えてみたいと思っています。

 

 

 私は30歳でITベンチャー企業を立ち上げた、いわゆる〝IT社長〟でしたが、度重なるがん闘病のために、自分の子どものようでも分身のようでもあった大切な会社を断腸の思いで手放しました。

 売却がうまくいかなければ社員が路頭に迷ってしまうという不安、また会社を失ったら自分は何をして生きていけばいいのかという不安と闘ったM&Aの一部始終も記しています。

 治療への不安や恐怖ももちろんありました。5回のがんの中でも血液のがん(悪性リンパ腫と白血病)の闘病は特に苦しく、治療中は実際に生死の境をさまようことになりました。

 あまりの過酷さに耐えかねて、病室の窓の外に見える、あのビルの屋上から飛び降りたほうが楽なのではないか──という思いが頭をよぎったこともあります。

  そうした経験を通じて私が実践してきた不安や苦痛を乗り越えていく方法が、がんと闘う患者さんやそのご家族はもちろんのこと、ストレスの多い現代を生きるみなさんが困難を乗り越えて前を向く助けになれば、こんなにうれしいことはありません。

 大丈夫、5年生存率2%のこの私が生きているのですから。

 あなたにもきっと、希望があります。

 困難を、一緒に乗り越えていきましょう。

目次

はじめに


第1章 白血病と闘うベッドの上で考えていたこと

異常の発見、そして治療開始

◆急性骨髄性白血病が見つかる
◆なぜこのときの告知が一番辛かったか
◆起業した会社に戻りたいのに戻れない
◆何もしないで生きていく
◆会社は自分の子どもであり自分自身でもある
◆人生最大の仕事をやり遂げ、最大の危機が訪れる
◆厳しい移植治療を受けても6割は亡くなる現実
◆白血病と造血幹細胞移植
◆実績のある骨髄移植、近年増加する臍帯血移植
◆5年生存率が40%から30%にダウン
◆1年でも2年でも時間を稼ぐことが大切
◆移植患者ががんばるべき3つのこと
◆年下の先輩患者から勇気をもらう
◆恐怖の移植パンフレット
◆怯えをスライドで整理してみた
◆移植治療を自分なりに捉え直し、受け入れた段階
◆治療への不安を乗り越えた3つのステップ
◆ドナーの候補が決まる
◆臍帯血に「のりこちゃん」と命名

移植治療のリアル

◆白血病の勢いが増し、前倒しで抗がん剤スタート
◆無菌病棟でたくさんの再会
◆抗がん剤投与開始
◆いよいよ臍帯血移植──移植Day 0
◆のりこちゃんの歌──移植Day 2
◆辛さを乗り越える助けとなった医師たちの声がけ──移植Day 2~3
◆高熱と解熱剤の追いかけっこ──移植Day 4~7
◆40.6度の熱と闘う──移植Day 8~10
◆胃にドリルを突き立てられる痛み──移植Day 13
◆かゆくて痛い手足症候群──移植Day 15~18
◆バースデープレゼントとなった生着──移植Day 22

本当の闘いが始まった、生着後の日々

◆膀胱炎による大失態──移植Day 30~40
◆味覚障害で心が折れかける──移植Day 45
◆初めての外泊許可──移植Day 77
◆寛解を確認
◆神様がお願いを叶えてくれない
◆生死の境をさまよった夜
◆入院中に一番欲しかったもの

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第2章 大腸がんと闘うベッドの上で考えていたこと

◆大晦日の実家にて血便に驚く
◆4回目のがん告知
◆がんより食道静脈瘤のほうが緊急度が高かった
◆腸を突き破られるような検査の痛み
◆食道静脈瘤を縛るか固めるか
◆肝臓がんへの不安
◆血便のおかげで2回、命が助かっていた
◆腹腔鏡下手術とはどんな手術か
◆直腸がんの腹腔鏡下手術当日
◆以前のがん治療が今回の治療に与えていた影響
◆術後の痛みは「日にち薬」で良くなる
◆「みんなで診させてもらいます」の真意

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第3章  5度のがんが教えてくれたこと

〝元通り〟はもう目指さない

◆これまでのがん治療が残したデメリット
◆がんになる前と同じ体を取り戻す必要はある?
◆100%健康な体なんてあり得ない
◆東洋医学を活用する

がんが教えてくれた幸せもある

◆当たり前の日常が突然崩れ去る「がん告知」
◆人生の残り時間は無限ではない
◆墓石を押し返しながら生きていく
◆物質的な幸福には限界がある
◆治療の「記念日」を大切に

〈COLUMN がん患者を応援する〉「一番大変なのは患者本人だから」は本当か?

第4章  がんを乗り越えるためのフレームワーク

ステップ1 がんという現実を受け入れる

◆前を向くための3つのアプローチ
  1 認知的に受け入れる
  2 科学的に受け入れる
  3 感情的に受け入れる
◆生存率2%でも生きている患者がここにいる
◆医師は生存率に関係なく患者を治そうとしている
◆治療を否定したくなる気持ちと闘う
◆自由診療クリニックの高額ながん治療の問題点
◆「標準治療」こそが「最高」の治療

ステップ2  目標を定める

1 人生の目標を見直す
2 治ったらやりたいことを考える
3 目標から逆算して治療方針を決める
◆目標とは、死ぬわけにはいかない絶対的な理由

ステップ3  主体的な患者になる

◆「先生に全てお任せします」は命に対して無責任
  1  病気について勉強する
  2  医師に質問して話し合う
  3  医師と信頼関係を構築する
  4  イメージ療法で治療の効果を高める
◆「医者が治すのではなく、自分の力で治すんです」

ステップ4 「今ここ」に集中する
◆がん患者が到達するのはある意味、悟りの境地

1  マインドフルネス瞑想
       目標達成イメージを潜在意識に刷り込む
 2  後悔と不安を手放すリフレーミング
       治療への不安をリフレーミングしたチャート
       自死を考えるほどの治療の苦痛を乗り越えた方法
       再発の心配をリフレーミングする
 3  時間についての概念を見直す
       過去はあいまいで不確かな、記憶の連続
       過去への後悔に意味がない理由
       未来とは根拠の薄い妄想
       過去も未来も幻想。あるのは「今ここ」だけ

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第5章  がんはなぜ何度も私のところにやってきたのだろう

◆自分を縛っていた「過去のストーリー」
◆病室のベッドでたくさんのストーリーに気づかされた
◆「移植したくない」という思いが移植を引き寄せたのか
◆ミッションの方向性が間違っていたのではないか
◆引き寄せた理由はどうあれ、乗り越え方は変わらない
◆「人生のシナリオ」という不公平
◆未来のシナリオは今ここで自分が紡いでいる
◆がんを乗り越えるシナリオを描く

おわりに
◆執筆中に発覚した5回目のがん
◆がんに感謝
◆人智を超えた大いなる存在はどこにいるのか?
◆さらに高い目標を目指して
◆「今度」を失う辛さと、取り戻した幸せ

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