『終止符のない人生』は、自伝的エッセイと銘打ちましたが、反田恭平が生まれてから27歳で
ショパン国際ピアノコンクールで2位入賞を果たしたあの瞬間までを辿った青春記です。
取材の時から話を聞いていると、幼いころに起こった出来事やロシアでの生活など、
27歳にして豊富なエピソードに驚いたことを鮮明に覚えています。
世界各国を旅するように言語も文化も違うその土地の人に向けて演奏をする。
豊かな体験をすべて自身の器に注ぎ込むことで、
聴衆を惹きこむ音を生み出しているのだと本書から伝わってきます。
クラシックをあまり知らない人にこそ読んでほしい1冊です。
僕自身、クラシックに精通している人間ではないですが、クラシックについて理解が深まったり、
音楽というものを通して世界に挑戦する若者の姿はとても美しいです。
このサイトまで辿り着いた方はぜひ、「序章」を読んで反田恭平の人生の一片を覗いてみてください。