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1942年(昭和17年)2月14日、福岡県北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。映画・テレビコマーシャルの撮影助手を経て、75年よりカメラマン、ノンフィクションライターとして活躍。76年『闘牛』を処女出版。81年『闘牛士エル・コルドベス 1969年の叛乱』で第一回PLAYBOYドキュメントファイル大賞を受賞。その後、数多くの冒険小説、国際謀略小説を発表。99年に時代小説『密命――見参! 寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の熱狂的な支持を得、一躍、国民的人気作家となる。「酔いどれ小籐次留書」は、旧主への忠義と想い人への思慕を心の支えとする五十男を主人公とし、氏の数多のシリーズのなかでも異彩を放つ人気シリーズとなっている。 |
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撮影 タカオカ邦彦 |
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元豊後森藩江戸下屋敷の厩番。五尺一寸(約153センチ)の矮躯に大顔、大目玉、大耳、団子鼻、禿げ上がった額が特徴の初老の侍。無類の大酒飲み。父・伊蔵に鍛えられた一子相伝の秘剣・来島水軍流の達人。来島水軍流は船上の戦いを想定した極度に実践的な流派で、基本技は正剣十手・脇剣七手。
小籐次の名を江都に知らしめたのは、世にいう『御鑓拝借』事件だった。主君が江戸城中で同じ詰之間の四藩主に恥辱を受けたと聞き、仇を討つべく脱藩。四藩の大名行列を次々に襲い、そのシンボルともいえる御鑓先を奪うことで四藩主の謝罪を取りつけた。
事件後、新兵衛長屋に居を定めた小籐次は、父から仕込まれた研ぎ仕事と厩番時代に内職で励んだ竹細工で生計を立てる。仕事ぶりは誠心誠意、全身全霊で、仕上がりは名人芸。だが、情にほだされれば御代を受け取らない典型的な器用貧乏。その一途な性格は、若い頃、道ですれ違った旗本水野家の奥女中、北村おりょうに一目惚れし、永遠の思慕の人として、胸に秘め続けてきたことにも表れている。 |
イラスト おおさわゆう |
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